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平成30年問30 選択肢1 民法② 担保物権 抵当権

行政書士試験

 

平成30年問30 選択肢1 民法② 担保物権 抵当権

 

*こちらは「Toaru塾」で実施されている一問一答の解説部分です。興味があるひとはTwitterからDM下さい。

 

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*問題

抵当権の効力に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

抵当権の効力は抵当不動産の従物にも及ぶが、抵当不動産とは別個に従物について対抗要件を具備しなければ、その旨を第三者に対して対抗することができない。

 

*解説

・問題の所在

まず、問題文を読んで、何を聞かれているのかを把握しましょう。

ここを意識すると問題文が読みやすくなるはずです。

 

今後、問題文を読むときは、一体何を聞かれているのか読み解きましょう。

 

さて、今回は「2つ」聞かれています。

 

第1に、「抵当権の効力は抵当不動産の従物にも及ぶ」のかどうか。

第2に、仮に従物にも及ぶとして、それを第三者にも主張するためには、抵当不動産とは別に従物の対抗要件が必要なのかどうか。

 

順に検討します。

 

・1つ目「抵当権の及ぶ範囲」

結論から言うと、従物にも及びます。

(ここは及ばないと考えている学説もありますが、一旦置いておきましょう)

 

これは条文がありますね。

(抵当権の効力の及ぶ範囲)

第三百七十条 抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産(以下「抵当不動産」という。)に付加して一体となっている物に及ぶ。ただし、設定行為に別段の定めがある場合及び第四百二十四条の規定(詐害行為取消権)により債権者が債務者の行為を取り消すことができる場合は、この限りでない

 

つまり、民法370条によると、抵当権の効力は「付加して一体となっている物(=付加一体物)」にも及びます。

「付加一体物」とは、抵当不動産に付け加えられてこれと一体をなしている物のこと。

例えば、庭石や植木など、抵当不動産と物理的に一体となっている物を言います。

 

ここは定義自体結構難しいですが、とりあえず、従物にも及ぶと覚えておくと良いです。

 

・2つ目「対抗要件は必要?」

次に、抵当不動産だけではなくて、従物にも別途対抗要件がないと第三者に主張できないのかどうか。

 

つまり、

 

①従物にも抵当権の効力が及んでいるから、抵当不動産対抗要件さえあれば、従物別個には対抗要件を備えなくても良い

 

②従物に抵当権の効力が及んでいるからといって、抵当不動産と従物は別なのだから、従物にも別途対抗要件が必要になるのかどうか

 

この二つのどちらかを検討することになります。

 

結論として、答えは①です。

ここを正確に判断できる法的思考力を養いましょう。

 

試験本番でも、1つ目の問題は知識で覚えておく必要がありますが、2つ目の問題は、試験本番にその場で考えて妥当な結論を導くことになります。たしかに、ここについては「最判昭和44年判例」があります。ただ、あれもこれも「知識」として丸暗記していると、いつまでもこの二択で間違ってしまいます。

 

そこで、ここまで読んだら、以下の解説を読む前に、①になる理由を自分なりに考えてみましょう。

もちろん、ここについては判例も特に言っていなくて、人それぞれの正解があるところです。

 

つまり、これを読んで実際に考えた人の数だけ正解があるし、それが法律の面白く、難しい部分です。

 

一応、僕の考えを示しておきます。

 

僕は、第三者の気持ちを考えます。

その場合、第三者にとって、実は従物にも、抵当不動産対抗要件の効力が及んでいましたとした場合に、不測の損害を与えることになるのかどうか。そこを考えます。

そして、おそらく第三者に不測の損害を与えることにはならないはずです。

ここは循環論法のようになりますが、だって抵当権の効力は従物にも及ぶんだから。

抵当権の効力が及んでいるなら、その対抗要件の効力が及んでいるんだろうなぁと考える方が自然なはず。

しかも、抵当権者としても、別途従物にまで対抗要件を要求するのはめんどくさいですよね。

 

僕ならそういう風に考えます。

 

また良かったらあなたなりの考えも教えて下さい。

 

では。

 

*答え

妥当でない

最判昭和44年3月28日