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民法改正関連 民法⑪ 相殺

民法改正関連 民法⑪ 相殺

 

*こちらは「Toaru塾」で実施されている一問一答の解説部分です。興味があるひとはTwitterからDM下さい。

 

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*問題

Aが自己の過失により、Bの自動車を損傷させてしまった。AがBに対する貸金返還請求権を有していた場合(すでに弁済期が到来しているものとする)、Aは、貸金返還請求権を自働債権とし、上記事故により、Bに対して負う不法行為に基づく損害賠償債務を受働債権として、相殺することは許されない。

 

*解説

 

 1.図を書いてみよう

 

まず、図を書いてみよう。

今回の問題文を図に書くと、こういう風になる。

 

f:id:toaru0jukukoshi:20200307114003j:image

 

 

色も意識して書いてみました。

つまり、赤色同士がリンクしていて、

 

・Aの行った損傷によって

・BからAに対する損害賠償請求権

 

が発生したイメージです。

 

どうでしょうか?

 

図を書けた人はとりあえず「脱初学者」と言って良いと思いますし、

そんな自分のことを誇りに思ってください。

 

2.「自働債権」と「受働債権」

 

まずは言葉の意味を覚えましょう。

 

・自働債権

➡「相殺を主張する側」が持っている債権

・受働債権

➡「相殺を主張される側」が持っている債権

 

今回の問題文では、

 

Aは、貸金返還請求権を自働債権とし、上記事故により、Bに対して負う不法行為に基づく損害賠償債務を受働債権として

 

とありますので、相殺を主張する側である「A」が持っている債権を「自働債権」といい、「B」が持っている債権を「受動債権」といいます。

 

逆に、「B」が相殺を主張すれば、「B」が持っている債権が「自働債権」になり、「A」が持っている債権が「受働債権」になります。

 

常に、「誰が相殺を主張しているのか」を意識しましょう

 

Point

相殺を主張しているひとが誰なのかを掴もう!

 

3.改正民法509条

 

さて、今回の問題は改正点です。

 

 

‐‐‐‐‐

 

改正前

不法行為により生じた債権を受働債権とする相殺の禁止)
第509条
債務が不法行為によって生じたときは、その債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。

 

改正後

不法行為等により生じた債権を受働債権とする相殺の禁止)
第509条
次に掲げる債務の債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。ただし、その債権者がその債務に係る債権を他人から譲り受けたときは、この限りでない。
一 悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務
二 人の生命又は身体の侵害による損害賠償の債務(前号に掲げるものを除く。)

 

‐‐‐‐‐‐

 

改正民法のポイントは二つです。

 

①悪意による不法行為に基づく損害賠償債務、人の生命・身体の侵害に基づく損害賠償債務の債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない

 

②債権者が、その債務に係る債権の他人から譲り受けた場合は、相殺できる

 

この2つを覚えましょう。

 

ここから出てくる影響は下記の2点を覚えよう。

 

①過失による不法行為債権を受働債権とする相殺が可能になる

 

②生命・身体の侵害に基づく損害賠償請求権を受働債権とする場合は、債務不履行による債権であっても、相殺することはできなくなる

 

 

今回の問題文は、「Aが自己の過失により」とあるので、相殺することはできます。

 

 

*答え

 

妥当でない

 

 

 

*課題(こちらの解説はコンサル生限定配布します)

 

①現行民法で、債務が不法行為によって生じた場合に、債務者側からの相殺が禁止されている理由はなぜか

➡???

 

②改正民法では、「Aが自己の過失により、Bの自動車を損傷させてしまった」との部分が、「Aが自己の過失により、Bにけがをさせてしまった」となれば、結論は変わるか?

➡???

 

③改正民法では、「Aが自己の過失により、Bの自動車を損傷させてしまった」との部分が、「Aが故意に、Bにけがをさせてしまった」となれば、結論は変わるか?

(故意=わざと)

➡???

 

 

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