*こちらは「Toaru塾」で実施されている一問一答の解説部分です。興味があるひとはTwitterからDM下さい。
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*問題
制限行為能力者が、自己を行為能力者であると信じさせるために相手方に対して詐術を用いて法律行為をした場合は、その法律行為に要素の錯誤があるときでも、錯誤による取消を主張できない。
*解説
1.何聞いてるの?
さて、まず今回の問題文が聞いていることを噛み砕きましょう。
そうすると、
・詐術の場合って、 錯誤による取消って主張できるの?
って聞いてますね。
ここを今回考えていきましょう。
2.「詐術」ってなんや??
で、まずは「詐術」が何かを説明します。
簡単にいうと、「詐術」とは、
本当は制限行為能力者なのに、行為能力者だって相手に信じ込ませるために、「あれこれ」色んな方法を使うこと
をいいます。
例えば、未成年者なのに、
「いやー、ビールっておいしいよね!」
「成人式か!懐かしいですね!!」
など成人のように振舞うことを言います。
本来、未成年者などの制限行為能力者は、
自分だけで有効な法律行為を出来ません。
未成年者の場合、
親の同意がないと売買契約とかは締結できないし、
もし同意のない場合、取り消すことができます。
つまり、相手方の立場にたったら、
取り消されるかもしれない
って不安を抱えることになります。
「詐術」をされた相手としては、
「成人してるんだ!じゃあ取り消されなくても安心!!」
って思いますし、そうした信頼を法律は保護しようとしています。
そこで条文では
こういう風に記載されています。
‐‐‐‐‐
第21条(制限行為能力者の詐術)
制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。
‐‐‐‐‐‐
このように、「詐術」の場合は、
取り消すことが出来ないとなっています。
だから、今回の場合も、
取り消せないのかな?ってなる気がします。
3.錯誤の場合は?
けど、今回の問題では「詐術」だけではなくて、
錯誤も関係しています。
問題文に
「その法律行為に要素の錯誤があるときでも、錯誤による取消を主張できない。」
とあります。
ここで2つの考え方ができるはずです。
それは、
①「詐術」だし、錯誤があっても、取消はできない
②「詐術」だけど、錯誤があるなら、取消はできる
(余談ですが、こういう風に①②とパターンを分けて思考できるひとは民法を得点源にしましょう。センスがあります。一方、良く分からないというひとは、民法は「5問」(4問は捨てる)正解することを目標に勉強し、行政法の過去問を集中して取り組みましょう。)
ここでは、②が正解です。
その理由は、「錯誤」と「詐術」は全く別の話だから、
別物として考えよう!って感じです。
そういう風に考えてみてください。
以上です。お疲れさまでした!
*答え
妥当でない
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